野球の発祥地はアメリカ?どの様に日本で広まったのか?
日本に伝わってから200年以上の歴史が経ち、現在では国民的人気スポーツの1つになった「野球」。
現在では春夏の「高等学校野球選手権大会」や大学野球、プロ野球、海外の「メジャーリーグ」などさまざまな形で観戦、プレーが楽しめるようになりました。
ではその『野球』はどのように日本に広まっていったのでしょう?野球の発祥地は一体どこ?
諸説が多数ある中で、有名なものをご紹介いたします。
野球の発祥地
野球は1839年に、アメリカ合衆国、ニューヨーク州オチゴ郡に位置する村・クーパーズタウンで、アブナー・ダブルディ将軍によって始まったと言われています。
クーパーズタウンといえば、野球ファンなら一度は聞いたことがある街の名前であり、野球の発祥地としての神話も存在しています。
メジャーリーグで活躍した選手らを称える野球殿堂博物館(National Baseball Hall of Fame and Museum)があり、ダブルディ・フィールドという野球場もある街として有名です。
野球ファンにとっての聖地であり、ニューヨークシティからは車で約4時間という人口約2000人の片田舎の街に、多くの野球ファンが訪れています。
それと比較して、日本の野球殿堂は東京ドーム内にあり、電車のアクセスも超良好でありながらも、来場者は年間約9万人(2017年実績)に過ぎないんだとか…。
野球の起源を遡れば、それこそ人類がこの世に登場した頃に辿り着き、そこに棒切れと石ころがあれば、それはスティック&ボール・ゲームとして遊びの対象になったんだとか。
それが少しずつ変化・進化を遂げ現在の野球の姿になっています。ある瞬間に無から野球が誕生した、というわけではもちろんありません。
アメリカ合衆国は主として欧州からの移民により設立された国であり、その欧州には全ての国や地域に独自のスティック&ボール・ゲームがありました。
一方、北米大陸にもネイティブアメリカンによるスティック&ボール・ゲームがあった様です。
1860年代初頭の南北戦争の頃、長きに渡る内戦の過程で、兵士たちが各地で余暇に『野球』を行ない、捕虜のレクリエーションとしてもゲームが行なわれていた事により徐々に米国に広がっていきました。
その後、数々の野球チームが誕生し、1869年に初めて野球を職業としたプロ野球チーム「シンシナティ・レッドストッキングス」が誕生。
これを皮切りに全米各地でプロ野球チームが誕生し、1901年にア・リーグ、ナ・リーグの8チーム体制が整いました。
これが近代野球の始まりと言われています。
1875年には最初の国際試合が開かれました。
20世紀に入ると、世界の野球を取りまとめる「国際野球連盟(IBAF)」が誕生。
なお、日本に野球が伝えられたのは、明治維新後の1870年代と言われています。
日本での広まり
日本に野球が伝えられたのは、1872年(明治5年)。東京大学の前身である東京開成学校予科にて来日したアメリカ人教師ホレス・ウィルソンらが、母国からボールとバットを持ち込み、学生たちに野球を教えました。
その6年後には社会人を中心とした本格的野球チームが結成され始めます。
この頃は、野球と言う言葉もまだ使われておらず、「打球おにごっこ」という名で全国的に広まりました。
他には「玉遊び」「打球鬼ごっこ」「底球」など様々な名前で呼ばれていた様。
そして海外での野球の呼び方、「ベースボール」を「野球」と日本語に訳したのは、旧制一高野球部員OBであった中馬庚(ちゅうまかのえ)とされています。
日本国外で、日本人が初めて野球をした時期としては、アメリカ巡業中だった軽業師一行(ロイヤル江戸劇団)が1872年6月7日、ワシントン・オリンピックスと対戦し、敗れたものの17-18と健闘した『ナショナル・リパブリカン』紙記事が、米国人作家ビル・ステープル・ジュニアにより発掘され、2019年6月に米国野球学会総会で発表されています。
1905(明治38)年には、早稲田大学野球部が初めてアメリカに遠征し、技術から用具まで野球の本場から多くのものを持ち帰りました。
これが日本の野球発展に大きな貢献を果たし、野球が全国に普及していきます。
大正時代には、今の高校野球・夏の甲子園大会に当たる全国中等学校優勝野球大会が開始されたり、東京六大学リーグが始まるなど野球人気はどんどん高まっていきました。
昭和になると、大リーグチームが来日して日本のチームと対戦し、これを機に日本初の職業野球チームが結成されます。
そしてプロ野球として発展し、数々の名勝負や感動の場面を提供して、日本文化の一翼を担う程成長しています。
実際野球の定義というのは多様存在しており、メジャーリーグやマイナーリーグ、独立リーグなどのプロリーグがあり、大学や高校、リトルリーグなどのアマチュアベースボールもあります。
さらに言えば、ソフトボール、プラスチック製のボールとバットを使うウィッフルボール、子供達が路上で楽しむストリートボールなど様々です。
これらは全てルールも異なりますが、それぞれがスティック&ボール・ゲーム。
また、今日、この時点でも野球というスティック&ボール・ゲームは変化を続けており、メジャーリーグに限定しても50年前とはかなり異なった様式によってプレーされています。
多くのスティック&ボール・ゲームがあり、それらが日々進化、変化、多様化しているのが野球。
いつ、どこで、誰によって始まったのかが明確にしにくいですが、野球の発祥地はアメリカ、という説が有力です!